「鳥の目・虫の目」発想読本 ビジネスが求めるクリエイティブ視点:高橋 宣行 著 2009/07/17 PHP研究所
高橋 宣行 氏 (フリープランナー)
高橋 宣行『HOW TO THINK』―いかに、考えるか―
この著書を活用して、当社の開発戦略・ビジネスモデル構築の方向性【視点】について
情報共有を試みてみたいと思います⇒3回目
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↓本文より:
☆3 知識 & 知恵 「モノ知り」だけでは、ビジネスにならない。
○ 知識は知恵の前提条件です
ちょっと古い話からスタートします。明治時代になり、すべて欧米からの手本をもとに国
づくりが始まりました。その時、日本は情報や知識を手に入れることに必死でした。とにかく
目標をたて、革新を進めることがあまりにも多すぎたのです。それ以来、私たちの体質は、
水を吸収するスポンジのように吸い続けています。すでに諸外国と肩を並べるところに来た
いまでも、この習性は抜けきりません。相変わらず情報収集と知識の勉強ばかりです。ただ、
知識は「新しいアイディアを生む素材」だ、という認識なら、頭でっかちおおいに歓迎です。
いい素材が組み合わさって、おいしい料理が提供できるのですから、知識は不可欠です。
しかし、私たちがいま強く求められているのは知恵を生む人材です。知識を手にする環境
は素晴らしく整い、ハードの進化で光は当たり続けています。しかし、知恵を生み出す環境
はどうなっているのでしょうか。人がハードの進化に追いつきません。しかも、機械化が
進む中で、生活体験的知恵は急速に消えかかっています。
【知識】 情報の体系化。
断片的に得られた情報を、ある目的に沿って体系化したもの。
情報が関係づけられたもので、知恵の前提条件となる。
【知恵】 知識の現場化。
知識の上に自分の判断が入り、知識が生活や行動に組み込まれたもの。
事実を完全に現場化し、新しいアイディアや価値観を生む能力。
○ これからの社会で必要なのは 「知識」から「知恵」へ
私たちは毎日「もっといい方法はないか」を問われ続け、そして答えを出し続けるのが仕事
です。顧客のこと、商品のこと、組織のこと、販売のこと、人材育成のこと、チーム内のこと、
すべて「もっといい方法はないか」と。テーマの大きさには違いがあっても、そこにあるのは
「考える・創る」です。情報収集し、課題発見すること……これが仕事のワンセットとなります。
そしてゴールは「知恵はあったか!」「アイディアはあるか!」です。既にご存じのように、
情報を持っていることや、モノを知っていることで、ビジネスにはなりません。情報や知識を
組み合わせ、編集し、知恵に変えて初めてビジネスになります。
○ 「情報を得る力」はついた 「知恵を生む力」はどうか
ここ十数年と比べて「いま」まったく違うのは、誰もが「情報を得る力」を持ったことで
しょう。知識欲を「人間の最も基本的な要求」ととらえ、グーグルは「世界中の情報を整理
しつくす」というミッションを掲げています。グーグルだけではありません。数多くのIT企業
が、機会の均等化を目指し、情報の拡張を図っているのです。
IT化が進み、もはや知識の記憶・再生が人間の独占でなくなってきました。
それなら、頼れるものには頼りましょう。私たちは知恵を生み出す方に、より時間とエネル
ギーをかけていきたいものです。そのためにも知恵への転換が遅れている3つの自己改革が
必要です。
☆体質改革:
長い間受け身。与えられることに慣れてしまっています。自ら生み出す、創り出す体質へと
変えていきましょう。「知る」から「考える楽しさ」「創る楽しさ」へ。「もっと別の方法が
あるのではないか」という姿勢から「考える楽しさ」は生まれてきます。そして、それが自分
や社会を豊かにすることにつながっているのだ、と確信していきましょう。
☆意識改革:
「知っていることがえらい!」と、モノ知りを目指しました。知識を披露することで尊敬も
されました。いまは、その知識を現場に組み込み、知恵に変えられるかどうかで、人は評価
されます。そのためには、課題、悩みを発見すること。テーマを持つこと。人間は「課題」や
「目的」という対象物あるかぎり考え続けます。そこから知恵は生まれてきます。
☆トレーニングの改革:
当然、知識に軸足を置いているのですから、知恵を磨く訓練はありません。学校も系統的な
知識の獲得と定型思考にのめり込んでいますし、社会に出たからといって創造的思考の方法は
教えてくれません。考える姿勢は自分で身につけるのです。それには「知る」から「感じる」
トレーニングを。
○ どうにもならない問題を 解く能力こそ「知恵」
知識だけでは解決できない問題を解決する力、それが知恵です。ビジネス社会では課題解決
力といわれています。これらの答えには正解がありません(モノを考え、創る世界はすべてそう
です)。従来のルール、慣習を壊し新しい答えを創り出そう、というのですから、当然といえば
当然です。極端にいえば、何をいってもいいのです。ただし、聞いている多くの人が「なる
ほどそれはいい」「それならうまくいきそうだ」とうなずく圧倒的なリアリティがないと納得
しません。そして他人を納得させる答えは、そこに独創的なアイディア(やられた!そこまで
考えたのか!)と、論理の組み立てが必要です。
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大量生産・大量消費・大量廃棄の時代の生産現場では、いわゆる作業者の役割は先輩方から
引き継いだ実績の延長線上でのムリ・ムダ・ムラが低減された決められた手順に従っていかに
効率良く(安全に&不良を出さずに)生産性を上げていくかという視点がほとんどだったかなと
捉えている。
私は常々今の「仕事のやり方」がベストとは限らないというところからスタートし、「自分
らしさをプラスアルファする(“改善”というコトバに拒否反応もあり)」「テーマ化」
「(自ら変化を創り出すための)目的」を持って日々の仕事に取り組むコトが「仕事を愉しむ
コト」につながるのでは!と伝え続けているが、まだまだ共感を得られていないのが現実だ。
⇒体質&意識&トレーニングの改革においては、ぜひ学校教育の場面でもベースの部分・心構
えだけでも体験し身に付けられる仕組み(受け身だけでは面白くないと感じてしまう人財が育成
される)が確立されていくコトを期待している。
☆当社の理念:
しなやかで 気持ちの良い ヒトづくり と コトづくり を通して 社会に貢献する
プラス発想 と 知恵の共有 により 学習力 を高め 革新し続ける 企業をめざす
【知恵の共有】・【学習力】:試行力・問題発見力・要約力(分析-仮説-検証-修正)
→感じる力(湧き出る)
○試行する能力(まずやってみる→前向きな失敗→分ける・図解→問題発見・暗黙知を共有できる仕組み)
& その試行を活かして直ちに次を実行に移していける能力=学習力・対話力の向上をはかり続ける
株式会社 白川製作所
2009年7月29日水曜日
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すでにご存じかもしれませんが
返信削除小生が、昨年出版した
課題を実現するー知識を知恵にかえる方法-(=知識から知恵を創りだす方法)が、
具体的に、お役にたつものと思っています。
そのPRシートは、下記にURLで見ることができます。
http://dtcn-wisdom.jp/00001-R3.pdf
参考書として、何人かの方にご紹介いただきまして、ご検討いただけば光栄に存じます。
よろしくお願いいたします。
経歴はhttp://dtcn-wisdom.jp/keireki.pdf です
江崎通彦 拝