2009年9月23日水曜日

【リアル&ナチュラルへ】@ソーシャル消費の時代:その2 

ソーシャル消費の時代 2015年のビジネス・パラダイム:上條 典夫 著 2009/04/08 講談社

上條 典夫 局長 (電通ソーシャル・プランニング局)

チャンスは「成長を前提にしない グリーンな消費」にあり!

「量から質へ」「個から絆へ」がキーワード


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↓本文より:

☆PART 2 シニア観測
     細胞の代謝で延びてゆく 青春時代

◎第4章  身体と健康
     バーチャルからリアル、ケミカルからナチュラルへ
     「細胞の声を聞くシステム」が病気を防ぐ


 ○健康観の変遷

 いま人々は氾濫する健康情報に懐疑的になって、「自分を守るのはやはり自分しかいない」
という考え方に戻りつつある。画一的でお仕着せの「健康」にとらわれず、「『健康』とは
やりたいことができる状態であることだ」とする考え方が広まりつつある。

 いまや、人々が健康を求める範囲は、身体と心だけにとどまらず、ライフスタイル全体に
波及してきたといえよう。同時にまた、長い人生でよりよく生きるためには「病気にならない
こと」が何よりも重要だ、という思いも強まっている。


 ○バーチャルからリアルへ ~納得しないと動かない人々

 これまでの健康に関わる消費を振り返ってみると、「何となく身体によさそう」「何と
なく効きそう」というイメージによって行われていた部分も大きかったと思われる。そうした
「何となく」気分がマスメディアによって増幅され、大きなブームが起こったり、ヒット商品
が次々と登場してきたりしたともいえよう。


 もはや消費者は、信じられるもの、自分自身が心の底から納得できるものしか手を出さなく
なっている。「ビリーズブートキャンプ」が大流行したのも、「そこまでやれば、確かに
痩せるよね」という納得があったからではないか。汗をかき、筋肉痛を伴うからこそ、変わって
いく自分をリアルに感じることができる。「食べるだけで、飲むだけで痩せられるなんて都合
のいい話などない」ということに、多くの人はうすうす気づいていたはずである。

 いま、人々の健康志向は、バーチャルからリアルへと変化しつつある。だからこそ、Wii Fit
やJOBAなど、身体を動かす系消費が活発化しているのである。


 ○ケミカルからナチュラルへ ~細胞の声を聞く

 「バーチャルからリアルへ」という健康消費の潮流のほかに、もう一つの新しい健康志向の
背景として「自然=健康」というパーセプション(認識)がある。2年ほど前からのことだが、
消費者調査で「健康によいもの」をイメージする絵や写真を呈示してもらうと、性別や年齢を
問わず、「自然の風景」や「自然な笑顔」を挙げる人が数多く見られるようになった。

 現代人が抱えるストレスはITによる影響が大きいともいわれるが、それもまた、自然を求める
一つの理由かもしれない。いま、「人工的につくられるものより、自然なもののほうが健康
によい」というパーセプションが確立されつつあり、そこは「病気を治すためには医薬品が
最も重要だ」と考えられていた30年前と大きく異なる点である。つまり、健康は急速に
「ナチュラル」への志向も強めているといえる。

 それでは、ナチュラルな健康法によって、リアルに体感できる効果を得るのに必要なことは
何か。それは、「まず自分の身体の声を聞くこと、心の声を聞くこと」である。自分の身体は
いま、何を必要としているのか。自分の心はどういった状態を心地よいと感じるのか――。
それらがキャッチできてこそ、自分の健康によいものが何かを知ることができる。


 ある調査データによると、「健康維持のためにあったら利用したいサービス」として、
「ちょっと気になる身体の異常について、気軽に確認することができるサービス」が、食事の
カロリーや運動のアドバイス、病院の紹介などの項目を抜いてトップだった。いま、多くの人
が「細胞の声」を聞き、自分が健康であるかどうかを確認したいと願っているのだ。

 実は、細胞からの警告をきちんとキャッチし、明確化・可視化できるシステムが、すでに
広島県の医療現場で開発・活用されている。それを「生体細胞機能アラームシステム(BCFAS)」
という。


 このシステムは、総務省と厚労省による「遠隔医療懇談会」の医療機関の実験に利用される
予定で、岩手県でも試行準備が進んでいる。このシステムの実用化が進み、各家庭に導入
されて人々が手軽に身体の声を聞くことができるようになれば、自分の体調を的確に判断し、
予防医療に役立てることができる。

 2005年に約2000万人だった65歳以上人口は、2015年には3200万人に増加する。生活習慣病を
未然に予防できれば、寝たきりになる高齢者の減少にもつながり、QOL(クオリティ・オブ・
ライフ=生活の質)も向上していくだろう。さらには、介護負担が楽になることを考えると、
高齢者だけではなく、高齢者を介護する家族の健康を支える役割も担うことになる。

 こうしたシステムが、子供からお年寄りまですべての人が自由かつ安全に移動でき、交流が
容易になり、暮らしやすく、創造的・文化的な「コ・モビリティ社会」に導入されれば、
まさに「病気にならない環境」の整備が整うことになる。ちなみに、現実空間と情報空間の
長所を生かした複合型コミュニティをめざす「コ・モビリティ社会創成」構想は、広範囲な
実証実験を経て、2016年頃には一定の汎用性を持つモデルとして構築される予定になっている。
コ・モビリティ社会の創成 (慶応義塾大学)

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【感性価値創造=コトづくり】:
「面白い・やる気になる」という「ヒトのココロ・気持ち」をつなげる
『道具と仕組み』づくり

慶大の「コ・モビリティ社会」のイメージビデオの中では、一人乗りの自動移動手段
「コムモ」が紹介されている。

私の率直な感想は、「便利すぎる!!」で「脳や運動器の機能低下につながらないのかな?」
と心配。

キガック(Ki-g-aC:柏崎産官学コラボ)において、私が提案しているまちなかを移動する手段
は、『電動アシスト』により使える機能は発揮される(訓練⇔補助:ウォーキングだけでは
筋力増進できないので、筋トレしながらの移動をイメージ)仕掛けを構想している。

できれば二人乗り(一人でも乗れて)で二人で協力し合ったり、おしゃべり(対話)しながら
『移動と運動を愉しむ乗り物』のデザイン化を進めたいと考えている。

やはりキーワードは【ヒトとつながるコト】【自然な笑顔】へのこだわり!
(コンパクトシティ構想において、ちゃんと公道を走行できるモデルに…道交法等の調査も
あわせて)


【自分の身体と心の声を聞く】:自分自身だけでは難しいコトだと感じる。これも仲間との
かかわりがキーになっていくのでは?(顔色・表情・行動の変化にまわりが気づく!)


株式会社 白川製作所

2009年9月22日火曜日

【ソーシャルキャピタル】@ソーシャル消費の時代:その1

ソーシャル消費の時代 2015年のビジネス・パラダイム:上條 典夫 著 2009/04/08 講談社

上條 典夫 局長 (電通ソーシャル・プランニング局)

チャンスは「成長を前提にしない グリーンな消費」にあり!

「量から質へ」「個から絆へ」がキーワード


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↓本文より:

☆PART 5 コミュニティ観測
     新しい信頼関係が 人の心と身体を活性化させる

◎第11章 心と健康
     地域の新たな連帯が生む「ソーシャルキャピタル」が健康格差を緩和する


 ○心理的ストレスを緩和する「ソーシャルキャピタル」

 昔から「病は気から」といわれるが、科学的にも本当らしい。「あなたは今健康ですか?」
という質問に、①とてもよい、②まあよい、③あまりよくない、④よくない、という4つ程度
の選択肢で回答してもらい、彼らの余命や死亡との関連を調べた結果がある。それによると、
③や④を選んだ人のほうが、①や②を選んだ人よりも死亡リスクが高いことが明らかにされて
いるという。

 一方、「物事をポジティブに考えること」が病気の回復に役立つというのも実証されている。
病状が同じレベルの心筋梗塞の患者の場合、「自分は回復が早い」と前向きに考えている人
ほど、本当に回復の度合いが早くなるという。

 こうしたデータは、「人の気持ちの持ちよう次第で、病気を予防したい、克服できる可能
性が異なってくる」ということを示唆する事例である。


 どれほど医療が進歩しても、人それぞれがストレスにさらされ、心の問題を抱えているの
では、健康的な社会を実現することはできない。そのため近年では、「人々が信頼し、支え
合い、協調行動を取ることで、ストレスを減らして前向きな気持ちになれる地域や職場
レベルでの資本=ソーシャルキャピタル」の充実が、解決策の一つになると期待されている。

 ソーシャルキャピタルの正確な定義については複数の説があるが、ここでは、

「コミュニティの構成員が持っている、相互の信頼感や連帯感、困ったときに助け合う互助
意識、ネットワークへの積極的参加などを指す。これらの意識・行動が強くなると、
ソーシャルキャピタルが充実した状態になる」

 としておこう。

 人々は職場や住んでいる地域など、さまざまなコミュニティに所属しているが、居心地が
よかったり悪かったり、いろいろなケースがある。コミュニティにおいて、構成者同士が信頼
できる関係であったり、助け合ったりすることができる場合は、人々は「居心地がよい
コミュニティだ」と感じるだろう。そうした状態は、「ソーシャルキャピタルが充実して
いる」ということができる。

 そして、ソーシャルキャピタルが豊かな地域ほど、住民の死亡率が低い。そのデータが
示されたことから、欧州ではソーシャルキャピタルの概念に注目が集まり、政策レベルでの
対策に取り組み始めた国もある。

 日本でも内閣府の報告書で、ソーシャルキャピタルの高さが、死亡率だけでなく、失業率の
抑制や出生率の維持などに寄与している可能性が示唆されている。この問題の重要性は、健康
の領域のみならず、国や自治体でも認識されつつあるのだ。その結果、やがて、

「人々の健康を維持するためには、医学や栄養学などのバイオサイエンスレベル(ミクロ
視点)の追究だけでは不十分であり、社会科学的(マクロ視点)アプローチも重要である」

 という考え方が主流になっていくだろう。



 ○ソーシャルキャピタルを豊かにするために

 今後、ソーシャルキャピタルの考え方が普及するにしたがって、それを充実させるための
ものや仕組みが次々に開発されていくと思われる。

 たとえば2015年の日本では、世帯類型の中で「単独世帯の比率が最も高い都道府県」が
増えていることが予想される。単独世帯が増加すれば、特に男性の単身者は普段から地域
コミュニティとの関わりが希薄な人が多いので、今後ますます、地域コミュニティから孤立
するケースが増えて、介護サービスに対する需要も高まるだろう。そうした影響に対応する
セーフティネットの一環として、国や地方行政は人々の健康維持のため、地域コミュニティや
社会的ネットワークへの参加など、ソーシャルキャピタルの充実に注力するようになるだろう。

 一方、民間企業は行政の動きを見ながら、そうした変化をビジネスチャンスとして捉え、
新しい市場を創出し、商品を開発していくと予想される。

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【感性価値創造=コトづくり】:
「面白い・やる気になる」という「ヒトのココロ・気持ち」をつなげる
『道具と仕組み』づくり


【信頼できる関係】【相互の信頼感や連帯感】【助け合う互助意識】づくり
【物事をポジティブに考えること】=ヒトとヒトとヒトとの『笑顔つながり』へのお役立ちが
【ソーシャルキャピタルの豊かさ】に結びついていくと確信している。

また、一人暮らしの方々をつなぐ「時間」と「空間」と「仲間」づくりにおいては、
バーチャルではない、『直接つながっている感』へのこだわりを貫きたい。

そこには地域密着の中小企業の役割が重要になっていくコトだろう。


株式会社 白川製作所

2009年9月18日金曜日

【ソーシャル消費】@日経新聞:経済教室

日本経済新聞 経済教室 35面 2009/09/18


恩蔵 直人 教授 (早稲田大学 商学部)

上條 典夫 局長 (電通ソーシャル・プランニング局)

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↓本文より:

☆「社会」意識した消費 一段と

 ≪ポイント≫
 ○ 消費低迷、消費者の意識・価値観変化映す
 ○ 「自分探し」的消費は「ソーシャル消費へ」
 ○ 企業は消費者との新たな関係構築急げ

◎経済危機で行動変容 「質」や「絆」重視、より鮮明に


 いま消費トレンドの少なからぬ部分が、「量と個」を志向した個人消費から「質と絆(きずな)」
を重視するソーシャル消費へと変化しつつあるのである。我々がいうソーシャル消費とは、
世界の人びとや次世代への悪影響をできるだけ軽減する消費スタイルであり、フェアトレード
商品の購入や企業の社会的責任(CSR)に熱心な企業の商品やサービスの購入を通じて何らかの
社会貢献をしたいという気持ちを表す消費スタイルであるといえよう。

◆◆◆   ◆◆◆

 そうした変化が見られるのは消費者側だけではない。マーケティングを実践する際、社会的
で倫理的な配慮をすることで、消費者だけでなく社会の幸福を向上していこうとする「ソー
シャル(ソサイエタル)マーケティング」や、企業が社会問題の解決といった大義をアピールし、
それに共感してくれる人に対しての売り上げ増を目指す販促手法として80年代から提唱されて
いる「コーズ・リレーテッド・マーケティング」の流れは、環境やエネルギー問題がクローズ
アップされるにしたがってますます確かな潮流となってきている。

 マーケティングの権威、フィリップ・コトラー米ノースウエスタン大教授によれば、90年
以前、企業は「何をしたらよい会社に映るのか」という場当たり的な視点から社会貢献に
取組んでいたが、90年以降は、本業に生かすことのできる対象に絞り込み、戦略的、自主的に
社会貢献に取り組むようになったという。

 現在、商品やサービスを生産する側の企業が消費者と連携し、貧困や疾病、社会問題や環境
問題を解決することは、企業にとっては新規顧客の獲得、ニッチ市場の開拓、売り上げの
増加、好ましいブランドアイデンティティーの構築など、結果的に自社の商品のプロモー
ションにつながることが証明されつつある。

◆◆◆   ◆◆◆

 消費者のあいだで広まりつつあるソーシャルな志向と、企業において強まっている社会貢献
意識をつなぐ新しいマーケティング手法がこれから必要になろう。従来のマーケティングは
基本的に、「企業と顧客としての消費者」いう2者間の関係性を扱っていた。これに対し、
新しいマーケティングは「企業と生活者(消費者)、そして社会」というより広い視点を持つ。


 このように新しいマーケティングは、「質」と「絆」を重視する新しい消費トレンドを後
押ししている。経済危機を経て、こうした流れは一段と加速し、消費者との新たな関係の構築
を企業に迫ることにもなるだろう。

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ソーシャル消費の時代 2015年のビジネス・パラダイム:上條 典夫 著 2009/04/08 講談社

↑この本も以前から購読中で、今後2回程度ブログで取り上げてみたいと考えている。


【感性価値創造=コトづくり】:
「面白い・やる気になる」という「ヒトのココロ・気持ち」をつなげる
『道具と仕組み』づくり

 まだまだ地方の機械部品を生産する下請け型企業では、【ソーシャル消費】との接点はまず
ない状況であるが、この視点【本業=社会貢献・社会問題の解決】を大切に脱下請け部門の
確立を急ぎたい。

 待ちのビジネスモデルの限界をヒシヒシと感じ、【世の中に打って出れる=リスクを覚悟で
挑戦を積み重ねられる企業】をめざしていきたい。


株式会社 白川製作所

2009年9月4日金曜日

【RTビジネスフォーラム】アクティブシニア編

【RTビジネスフォーラム】アクティブシニア編」開催!
アクティブシニアは2000万人以上!?人口減を逆転発想でビジネスチャンスに!!


★日時:9/9(水) 14:00~16:00
★場所:ロボットラボラトリー (大阪駅前第3ビル16F)


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人口比率で膨大なボリュームゾーンであるシニア世代。80%近い方々が現役世代と変わら
ない強いパワーとマインド、消費意欲を持っています。

本フォーラムでは、そういった元気なシニア世代(アクティブシニア)をターゲットとし、様々
なシーンでRTを活用した具体的な製品開発やサービス開発をめざします。また、作成した
プランを、製品サービス開発などで実績のあるニーズ企業に提案する場を設けます。


「誰もがスポーツ活動を楽しめるようになるためのロボット技術活用の可能性」
近畿大学 経営学部 教授 廣田 章光 氏

(概要) スポーツ・健康活動は、身体面、精神面での効果が検証されている。しかしながら高齢
になるほど、スポーツ・健康活動に接触する、あるいは実践する機会は減少する。高齢化社会
のもう一つのビジネス領域である、日常生活を自立して行える高齢者に対するロボット技術
活用の可能性を探る。
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「RT (Robot Technology)」と「スポーツ・健康活動」の組合せ + アクティブシニア向け
⇒まさに“すっぽり”当社の取り組み・コンセプトと同じでビックリ!!

廣田先生の講義は2回目となるが、RT技術の活用やシニア層へのアプローチという切り口に
期待している。

また、株式会社 エルクコーポレーション 殿との連携も模索できればと参加!
特に【健康文化創造企業】⇒理念に着目


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『感性価値創造ミュージアム in  KOBE』
-ものづくりのものがたり。はじまる!-


 2007年の「感性価値創造イニシアティブ」の提唱を受け、昨年度から国内外での開催が
始まった「感性価値創造ミュージアム」ですが、国内2回目となる今回は、舞台を東京から
神戸に移しての開催となりました。
「感性」をキーワードとした製品の展示、トップクリエーターによるトークやカフェ等多彩な
イベント内容となっておりますので、皆さまぜひお越しください。 (入場無料)


(概要)

☆会期:2009年9月5日(土) ~ 2009年9月13日(日)
☆会場:神戸旧居留地内4会場
    (神戸市立博物館、神戸朝日ビル、旧居留地十五番館、日本真珠会館)

☆主催:中小企業基盤整備機構、経済産業省、兵庫県、神戸市
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夜行の高速バスでの移動のため、午前中を有効活用するためにも、神戸にも行ってくる予定!


株式会社 白川製作所