ソーシャル消費の時代 2015年のビジネス・パラダイム:上條 典夫 著 2009/04/08 講談社
上條 典夫 局長 (電通ソーシャル・プランニング局)
チャンスは「成長を前提にしない グリーンな消費」にあり!
「量から質へ」「個から絆へ」がキーワード
-----
↓本文より:
☆PART 2 シニア観測
細胞の代謝で延びてゆく 青春時代
◎第4章 身体と健康
バーチャルからリアル、ケミカルからナチュラルへ
「細胞の声を聞くシステム」が病気を防ぐ
○健康観の変遷
いま人々は氾濫する健康情報に懐疑的になって、「自分を守るのはやはり自分しかいない」
という考え方に戻りつつある。画一的でお仕着せの「健康」にとらわれず、「『健康』とは
やりたいことができる状態であることだ」とする考え方が広まりつつある。
いまや、人々が健康を求める範囲は、身体と心だけにとどまらず、ライフスタイル全体に
波及してきたといえよう。同時にまた、長い人生でよりよく生きるためには「病気にならない
こと」が何よりも重要だ、という思いも強まっている。
○バーチャルからリアルへ ~納得しないと動かない人々
これまでの健康に関わる消費を振り返ってみると、「何となく身体によさそう」「何と
なく効きそう」というイメージによって行われていた部分も大きかったと思われる。そうした
「何となく」気分がマスメディアによって増幅され、大きなブームが起こったり、ヒット商品
が次々と登場してきたりしたともいえよう。
もはや消費者は、信じられるもの、自分自身が心の底から納得できるものしか手を出さなく
なっている。「ビリーズブートキャンプ」が大流行したのも、「そこまでやれば、確かに
痩せるよね」という納得があったからではないか。汗をかき、筋肉痛を伴うからこそ、変わって
いく自分をリアルに感じることができる。「食べるだけで、飲むだけで痩せられるなんて都合
のいい話などない」ということに、多くの人はうすうす気づいていたはずである。
いま、人々の健康志向は、バーチャルからリアルへと変化しつつある。だからこそ、Wii Fit
やJOBAなど、身体を動かす系消費が活発化しているのである。
○ケミカルからナチュラルへ ~細胞の声を聞く
「バーチャルからリアルへ」という健康消費の潮流のほかに、もう一つの新しい健康志向の
背景として「自然=健康」というパーセプション(認識)がある。2年ほど前からのことだが、
消費者調査で「健康によいもの」をイメージする絵や写真を呈示してもらうと、性別や年齢を
問わず、「自然の風景」や「自然な笑顔」を挙げる人が数多く見られるようになった。
現代人が抱えるストレスはITによる影響が大きいともいわれるが、それもまた、自然を求める
一つの理由かもしれない。いま、「人工的につくられるものより、自然なもののほうが健康
によい」というパーセプションが確立されつつあり、そこは「病気を治すためには医薬品が
最も重要だ」と考えられていた30年前と大きく異なる点である。つまり、健康は急速に
「ナチュラル」への志向も強めているといえる。
それでは、ナチュラルな健康法によって、リアルに体感できる効果を得るのに必要なことは
何か。それは、「まず自分の身体の声を聞くこと、心の声を聞くこと」である。自分の身体は
いま、何を必要としているのか。自分の心はどういった状態を心地よいと感じるのか――。
それらがキャッチできてこそ、自分の健康によいものが何かを知ることができる。
ある調査データによると、「健康維持のためにあったら利用したいサービス」として、
「ちょっと気になる身体の異常について、気軽に確認することができるサービス」が、食事の
カロリーや運動のアドバイス、病院の紹介などの項目を抜いてトップだった。いま、多くの人
が「細胞の声」を聞き、自分が健康であるかどうかを確認したいと願っているのだ。
実は、細胞からの警告をきちんとキャッチし、明確化・可視化できるシステムが、すでに
広島県の医療現場で開発・活用されている。それを「生体細胞機能アラームシステム(BCFAS)」
という。
このシステムは、総務省と厚労省による「遠隔医療懇談会」の医療機関の実験に利用される
予定で、岩手県でも試行準備が進んでいる。このシステムの実用化が進み、各家庭に導入
されて人々が手軽に身体の声を聞くことができるようになれば、自分の体調を的確に判断し、
予防医療に役立てることができる。
2005年に約2000万人だった65歳以上人口は、2015年には3200万人に増加する。生活習慣病を
未然に予防できれば、寝たきりになる高齢者の減少にもつながり、QOL(クオリティ・オブ・
ライフ=生活の質)も向上していくだろう。さらには、介護負担が楽になることを考えると、
高齢者だけではなく、高齢者を介護する家族の健康を支える役割も担うことになる。
こうしたシステムが、子供からお年寄りまですべての人が自由かつ安全に移動でき、交流が
容易になり、暮らしやすく、創造的・文化的な「コ・モビリティ社会」に導入されれば、
まさに「病気にならない環境」の整備が整うことになる。ちなみに、現実空間と情報空間の
長所を生かした複合型コミュニティをめざす「コ・モビリティ社会創成」構想は、広範囲な
実証実験を経て、2016年頃には一定の汎用性を持つモデルとして構築される予定になっている。
コ・モビリティ社会の創成 (慶応義塾大学)
-----
【感性価値創造=コトづくり】:
「面白い・やる気になる」という「ヒトのココロ・気持ち」をつなげる
『道具と仕組み』づくり
慶大の「コ・モビリティ社会」のイメージビデオの中では、一人乗りの自動移動手段
「コムモ」が紹介されている。
私の率直な感想は、「便利すぎる!!」で「脳や運動器の機能低下につながらないのかな?」
と心配。
キガック(Ki-g-aC:柏崎産官学コラボ)において、私が提案しているまちなかを移動する手段
は、『電動アシスト』により使える機能は発揮される(訓練⇔補助:ウォーキングだけでは
筋力増進できないので、筋トレしながらの移動をイメージ)仕掛けを構想している。
できれば二人乗り(一人でも乗れて)で二人で協力し合ったり、おしゃべり(対話)しながら
『移動と運動を愉しむ乗り物』のデザイン化を進めたいと考えている。
やはりキーワードは【ヒトとつながるコト】【自然な笑顔】へのこだわり!
(コンパクトシティ構想において、ちゃんと公道を走行できるモデルに…道交法等の調査も
あわせて)
【自分の身体と心の声を聞く】:自分自身だけでは難しいコトだと感じる。これも仲間との
かかわりがキーになっていくのでは?(顔色・表情・行動の変化にまわりが気づく!)
株式会社 白川製作所
2009年9月23日水曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿